最近は筆を持つことがなくなったが、保育所の頃から
高校卒業まで書道を習っていた。
中学生の時だったか。
先生に、「もうそろそろ
雅号を持ったら」と言われた。
雅号とは、小説家などで言うところのペンネームみたいなものだ。
そこで、先生のお知り合いの方につけて頂くことになった。
その方とは会った事もないので、私がどんな人物か分からない。
そこで、趣味やら本名やらを提出した。
自分で好き勝手に可愛い名前にしたかったが、画数やら
色々あるらしく、断念した。
・・・
顔も見た事のないおじさんに私の運命が託されたのである。
待つこと1ヶ月。
ついた名前が『
窗月』
窓の月(そうげつ)
窗は、窓の古い漢字。
そして、趣味:読書 と書いたので、窓から漏れる月明かりの下で
本を読んでいる、というイメージらしい。
正直、初めてこの名前を知ったとき
おぼうさんみたいな名前だなあ と思った。
しかも、この当時でも月明かりを頼りに本を読む人などいないだろう。
実際、友達にこの名前を教えたら
「おぼうさんみたい。」という答えがかえってきた。
なので、高校卒業後今まで封印してきた。
だが、今になってふと。
結構いい名前のように思えてきた。
窓の月。
なかなか風情があっていいではないか。
今思う。
あの時暴走して変な名前自分で付けなくてよかった。
・・・顔も知らないおじさん、ありがとう。